お葬式の形式まとめ 家族葬、一日葬、直葬などについて

お葬式イメージ

一口にお葬式といっても、いろいろな形式がありますよね。

一昔前は、通夜と告別式を行い、多くの弔問客を招く一般葬が当たり前でしたが、金銭的負担、身体的負担も大きく、今では一般葬が当たり前の時代ではなくなりました。

こちらのページでは、代表的な形式のお葬式について詳しく説明しています。

「どんな種類のお葬式があるんだろう?」
「どんな葬儀にしたいかイメージが湧かない」

といった場合の参考にしてみてください。

家族葬

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都市部を中心に広がりを見せている葬儀形式に家族葬があります。

家族葬とは、家族やごく親しい人のみで行う小規模の葬儀を指します。

故人の寿命が伸びていることで、会社関係や知り合いの参列が少ないことが予想されることから、家族葬のような身内だけの葬儀が増えているんですね。

親しい間柄の人達ばかりなので、気疲れせず、穏やかな気持ちで故人を見送ることができます。

家族葬は、特定の形式の葬儀を指すものではなく、その内容は多岐にわたります。宗教にとらわれる必要もなく、無宗教で自由に行うこともできます。

家族が柩を囲んで葬儀を行ったり、手紙を読んだり、故人が好きだった音楽を流したり、演奏をしたり、映像や写真をスライドショーとして流すなど、アレンジのきいた内容も可能です。

とはいえ、葬儀は仏式で行うことが多いです。菩提寺がある場合は、あらかじめ家族葬で執り行いたい旨伝えておくと安心です。

基本的に、通夜、葬儀、告別式は、一般葬と同様に行います。そのため、一般葬と比べて費用があまり変わらないということもあり得ます。

それでも、祭壇や棺にかかる費用を安く済ませることは可能ですし、また、飲食代や返礼品にかかるお金も最小限で済むので、総じて低く抑えることはできます。

家族葬を行う際は、細かい部分も含めて、葬儀社としっかり相談することが大切ですね。

また、誰に参列していただくかは重要ですし、後日、参列できなかった人への連絡もどのようにするかを考えておく必要があります。

家族葬のメリット

■ ゆっくりお別れできる
家族や親しい人だけなので、わずらわしさがなく、ゆっくりとお別れをすることができます。「こんなことがあったね」と故人に語りかけたり、家族で思い出を語らうこともできますね。

■ 肉体的・精神的負担の軽減
葬儀は、肉体的にも精神的にも疲れるもの。弔問客への対応があると、心身共にすり減ってしまいますよね。家族葬であれば気を使うことが少ないので、遺族の負担を減らすことができます。

■ 葬儀費用に納得できる
昔ながらのやり方だと、多大な葬儀費用がかかってしまいます。こんなところにお金をかけなくても・・・と思うことは多いです。家族葬なら納得のいくお金のかけ方ができるので、後々不満に感じることは少ないです。

家族葬のデメリット

■ 親戚づきあいがギクシャクするかも・・・
昔ながらの葬儀を望む親戚がいた場合は、その後の関係にヒビが入ることも考えられます。葬儀に呼ばなかった親戚から、どうして呼んでくれなかったんだと責められることも予想されます。

■ 葬儀後に弔問に訪れる人の対応に追われる
葬儀後に亡くなったことを知った人が、後々弔問に訪れることが予想されます。そうなると、その場その場で1人ずつ対応をしていく必要があるので、それが負担となることがあるかもしれません。お別れの会を開くことで、これを回避する選択もあります。

■ 香典を期待できない
参列者はほとんどいないため、香典で葬儀費用をまかなうことは期待できません。そのため、費用負担が大きいと感じることがあるかもしれません。

■ 菩提寺がある場合は事前に相談を
僧侶を呼ばないなど、昔ながらのしきたりとは異なる形式で葬儀を行った場合、納骨を断られたり、戒名をつけてもらえないなどのトラブルが発生することがあります。菩提寺がある場合は、事前に相談することをおすすめします。

一日葬

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通常の葬儀は、1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式というように2日かけて行うところ、一日葬は通夜を省略し、葬儀・告別式と火葬を1日で執り行う形式です。

体力的に2日かけるのが難しい場合や、スケジュール調整が難しい場合などに一日葬が検討されます。

葬儀・告別式を行うとはいえ通夜を省略するので、やはり一般葬と同じというわけにはいかないですよね。

そのため、菩提寺がある場合は、事前に相談することをおすすめします。寺院の了解がないと、最悪納骨してもらえないなどのトラブルが発生してしまいます。

一日葬は、通夜を省略するだけで、その他の部分は一般葬と特に変わりはありません。ただ、傾向として、親戚や故人と親しい人など、深い間柄にある人を中心に行われることが多いです。

その他、一日葬のメリットとデメリットには以下のようなものがあります。

一日葬のメリット
  • 1日で済むので、遺族の精神的・肉体的負担が少ない
  • 遠方からの参列者が日帰りで済む
  • 通夜ぶるまいなどの費用が浮く
一日葬のデメリット
  • 逝去から葬儀までの間、遺体を安置する場所が必要
  • 一般葬と比べて、費用はそこまで安くならないケースも
  • 1日で執り行うので、スケジュールの都合で参列できない人も
  • 後日、参列できなかった弔問客が訪れることも
  • 昔ながらのやり方にこだわる親戚から文句をいわれることも
直葬

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直葬とは、通夜・葬儀・告別式を行わず、火葬場で故人を見送る形式の葬儀です。火葬式、荼毘葬(だびそう)とも呼びます。

費用を抑えることができるため、近年徐々に増えてきています。相場は20万円前後が目安となります。

直葬といっても、亡くなった後すぐに火葬場に運ぶことはできません。亡くなってから24時間は火葬できないという決まりがあるためです。

そのため、火葬場に運ぶまでの間は、自宅に安置できれば故人と共に過ごすことができます。自宅が難しい場合は、葬儀会社の安置所など、安置場所を確保する必要があります。

1日目は、病院から死亡診断書をもらい死亡届を役所に提出したり、葬儀社との打ち合わせを行う形になります。

通夜や告別式は行わないといっても、葬儀社には依頼を行いましょう。故人をお骨にするまでには慣れない手続きが続きますし、葬儀社経由でないと火葬ができない自治体もあります。

翌日は、棺に遺体を収め、火葬場へと向かいます。
(ただし、火葬場が混み合っている場合など、24時間後すぐに火葬できない場合もあります)

火葬場では最後のお別れをします。読経をお願いしたい場合はこのタイミングで行いましょう。

直葬は、故人に友人づきあいがほとんどなかった、故人の強い遺志だった、経済的な理由などで選ばれていますが、一方で別れの時間が少ない、親族の理解を得られにくいなどのデメリットもあります。

後悔しないよう、じっくり考えた上で結論を出すようにしたいですね。

その他の葬儀形式

その他の葬儀形式には、リビング葬、音楽葬、自宅葬などがあります。

リビング葬

リビング葬とは家族葬の一種で、葬儀社が所有する家族葬専用式場で執り行います。

まるで自宅で行っているような、ゆったりとした空間で別れの時を過ごすことができるのが特長です。

具体的にどのような設備があるかは、葬儀社によって千差万別です。

基本的にはリビングルームに棺を安置し、生花で飾るというスタイルが一般的です。

この他に、キッチンやバスルーム、テラスがあったり、宿泊施設を兼ね備えた式場もあります。

リビング葬を執り行う場合は、あらかじめどんな設備があるのかを確認するようにしましょう。

一般の葬儀と同様に、通夜、葬儀、告別式がありますが、その他はある程度自由な形式で過ごすことができます。

故人のそばで家族みんなで思い出を語るのもいいですし、親しい人を招いてお別れの会のようなものを開いてもいいですね。弔問客を迎えることもできます。

式以外では喪服を着なくてもいいので、楽な服装で心ゆくまでお別れをすることができます。

必要となる費用は式場によって大きく異なりますが、一般葬と同じくらいの金額がかかると考えた方がいいかもしれません。

音楽葬

音楽葬も家族葬の一種で、お葬式の最中に、故人が大好きだった曲をBGMとして流したり、バイオリンやチェロ奏者を招いてクラシックの生演奏を流したりするなど、音楽を楽しむ葬儀形式です。

好きなアーティストや演歌歌手の曲を流すことができれば、思い出に浸ることもできますよね。

無宗教葬でもあるので、昔ながらの仏式は嫌だという場合にもおすすめです。

今風のお葬式ともいえるので、伝統やしきたりを重んじる親戚などから反対の声が出る可能性はあるでしょう。

自宅葬

通常、お葬式は斎場で行うものですが、我が家で行うのが自宅葬です。

たとえば、ずっと入院をしていて家に帰ることができなかった場合、自宅が恋しいと思っていた可能性はありますよね。

そんな故人の思いを考慮して、自宅でお葬式ができたら喜んでもらえるかもしれません。

葬儀場でお葬式を行う場合、どうしてもスケジュールや時間を気にする必要がありますが、自宅であれば気兼ねすることなくゆったりと見送ることができます。

棺や祭壇を設置するスペースが必要となりますが、スペースの余裕があれば検討してみたい葬儀形式ですね。