お葬式の後にやること 手続き一覧まとめ
葬儀が無事終わった後も、やらなくてはならない手続きがたくさんあります。
家族が亡くなった悲しみと葬儀の疲れで、やるべきことを忘れてしまったり、何をすればいいかわからないということがあるかもしれません。
そんなことにならないよう、葬儀後にやることをわかりやすくまとめてみました。
手続きの中には、亡くなってから短期間のうちに手続きを終えなければいけないものもあるので、そちらは優先的に対応できるようスケジュールを組んでみましょう。
市区町村役所・年金事務所・税務署での手続き
期限:亡くなってから14日以内
世帯主が亡くなり、その世帯に15歳以上の人物が2人以上いる場合は、市区町村役所に世帯主変更届を提出する必要があります。届出の際は、印鑑と本人確認書類が必要になります。
15歳以上の人物が1人だけの場合は自動的に変更されるので、提出する必要はありません。
また、故人が1人住まいだった場合も提出する必要はありません。
期限:亡くなってから14日以内(期限がない場合もあり)
基本的に、資格喪失届の提出と同時に保険証を返却することになります。
ただし、国民健康保険に加入していると、葬祭費を申請することができます。その際に保険証が必要となります。
保険証を返却してしまうと葬祭費を申請できない恐れもあるので、 14日以内という期限を設けている自治体が多いのですが、まずは葬祭費の申請を優先することをおすすめします。
なお、死亡届の提出と同時に自動で喪失手続きがされる自治体もあります。この場合、提出の必要はありません。
期限:葬儀日から2年以内
葬祭費は申請することでもらうことができます。市区町村役所の国民健康保険課に申請しましょう。金額は自治体により異なります。東京23区の場合だと基本的に70,000円が支給されますが、一部50,000円というところもあります。
申請には、故人の保険証、印鑑、申請者の本人確認書類、葬儀の領収書、振込先口座番号などが必要となります。
申請者は、葬儀を執り行った人(喪主)になります。
期限:亡くなってから2年以内
故人が健康保険組合、全国健康保険協会(協会けんぽ)、共済組合などに加入していた場合は、埋葬料をもらうことができます。
埋葬料は、故人の勤務先の健康保険組合か年金事務所に申請することで支給されます。金額は50,000円です。
申請には、保険証、健康保険埋葬料請求書、埋葬許可証または死亡診断書のコピー、印鑑、振込先口座番号などが必要になります。
期限:亡くなった翌日から14日以内
故人が会社などの健康保険に加入していて、遺族が被扶養者だった場合は、遺族は加入者が亡くなった翌日から、その資格を失うことになります。
このままだと、保険診療を受けることができなくなるため、国民健康保険に加入する必要が出てきます。(もしくは他の家族の扶養者となる手続きが必要です)
早めに市区町村役所に申告するようにしましょう。
期限:支払日から2年以内
闘病生活などで多額の医療費がかかった場合、自己負担限度額を超えた分に関しては、払い戻しを受けられる制度があります。
基本的には、医療費の支払いから2〜3ヵ月後くらいにお知らせが届きます。それを元に申請すればOKです。健康保険組合によっては、自動で行ってくれるところもあります。
申請には、高額療養費支給申請書、保険証、実際に支払った医療費の領収書、印鑑などが必要となります。
また、事前に限度額適用認定証を取得しておくと、支払い時点で限度額にとどめることができるので、わずらわしい申請は必要ありません。
自己負担限度額がどのくらいかは、70歳未満、70歳以上75歳未満、75歳以上の年齢と所得によって大きく異なります。
詳しくは、お住まいの市区町村役所に問い合わせてみてくださいね。
期限:国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内
故人が年金を受け取っていた場合は、手続きをしないといつまでも支給が続くことになります。不正受給となってしまいますので、すみやかに手続きをするようにしましょう。
通常は、年金事務所か街角の年金相談センターで手続きを行います。障害基礎年金や遺族基礎年金を受給していた場合は、市区町村役所の国民年金担当窓口に足を運んでください。
必要書類は、年金受給権者死亡届、年金証書、死亡の事実を確認できるもの(死亡診断書の写しや戸籍謄本)などです。
また、年金は2ヶ月に1回支払われるため、前回受給してから亡くなるまでの分が未払いになることがあります。この場合、生計を同じくしていた遺族に受け取る権利があります。
必要書類は、未支給年金請求書、年金証書、請求者の戸籍謄本、生計を一緒にしていたことがわかる書類などです。
窓口は一緒なので、受給停止手続きと共に行うと二度手間になりません。
期限:5年以内
年金加入者が亡くなった場合、さまざまな条件により、遺族に死亡一時金、遺族基礎年金、寡婦年金のいずれかが支払われます。
故人が年金を受けていたか受けていないか、遺族に18歳未満の子供がいるかいないかなどによって、支給条件は非常に細かく分類されています。
そのため、国民年金の場合は市区町村役所の国民年金課、厚生年金の場合は年金事務所または街角の年金相談センターに相談することをおすすめします。
なお、死亡一時金のみ、亡くなってから2年以内が請求期限となっています。
期限:亡くなってから4ヶ月以内
自営業をされている方が亡くなった場合、1月1日から亡くなった日までの所得を計算して、税務署に申告する必要があります。
サラリーマンの場合は、通常は会社で年末調整をしてもらえますが、下記のケースにあてはまる場合は、確定申告が必要になります。
・年収2,000万円以上
・雑所得が20万円以上
・複数の勤務先から給与を受け取っている
・住宅借入金等特別控除を受けている
期限:亡くなってから5年以内
1月1日から亡くなる日までの医療費の総額が10万円を超える場合は、医療費控除を受けることができます。確定申告と同時に行うことをおすすめします。
申告する際は、医療費の領収書が必要となります。
その他に必要な手続きとして、
・介護保険の資格喪失届の提出・介護保険証の返却
・健康保険被扶養者異動届
が必要なケースもあります。
故人が介護保険証の交付を受けていた場合、故人が健康保険組合加入者の被扶養者だった場合に、それぞれ該当します。
なお、上記で記載している必要書類に関しては、故人のマイナンバーを確認できるものが必要なところもあったりするなど、自治体により微妙に異なります。詳しくは、該当の市区町村ホームページなどで確認をするようにしてくださいね。
その他の手続き
故人が、電気・水道・ガスの契約者だった場合は、名義変更を行う必要があります。同時に引き落とし口座番号の変更も行いましょう。
領収書に連絡先が記載されているので、そちらを参考に連絡を行います。
故人が単身世帯だった場合は、連絡をすることで供給をストップすることができますが、身辺整理等で時間が必要となることがあるかもしれません。連絡の際は、その辺りも考慮してみましょう。
故人がNHK受信料の契約者だった場合は、名義変更の手続きを行いましょう。
故人が単身世帯だった場合も忘れずに連絡を行ってください。連絡をしないと、後々NHKから支払い請求が来ることが予想されます。余計なトラブルを招いてしまうのは嫌ですよね。
連絡の際は、念のため連絡日や担当者等のメモを残しておくと安心かもしれません。
故人が住居の賃貸契約をしていた場合、遺族が引き継ぐ場合は名義変更が必要です。ひとまず、家主に連絡を行いましょう。
故人が単身世帯だった場合も家主や管理会社に連絡を取り、今後の手続きについて相談を行ってください。
故人が固定電話を持っていた場合は、電話加入権を遺族が引き継ぐことができます。
名義変更には、電話加入権等承継・改称届出書、故人の戸籍謄本、新しく受け継ぐ人の戸籍抄本(謄本)、印鑑などが必要となります。
電話加入権は相続財産に含まれますが、預貯金などの他の遺産と異なり、すぐに承継することができます。
故人が単身世帯で今後固定電話を使う予定がない場合は、NTTに解約手続きを申し込みましょう。
ガラケーやスマホを契約していた場合は、すみやかに各携帯会社に連絡して、解約手続きを行いましょう。
原則は所轄の警察署に返却することになっていますが、そのまま持ち続けても大きな問題はありません。
東京都の場合、新宿、有楽町、池袋、立川に旅券(パスポート)窓口があるので、そこに返却します。
なお、記念に取っておきたい場合は、有効期限を無効化してもらった上で返してもらうこともできるので、その旨申し出てください。
故人がクレジットカードを所有していた場合は、会社に連絡をして解約の手続きを行いましょう。年会費がかかる場合は特に注意が必要です。
その他、デパートの会員など、年会費を必要とする会員カードを所有したいた場合も解約の手続きを行ってください。
故人がインターネットプロパイダーと契約していた場合は、プロパイダーに連絡を取り解約の手続きを行いましょう。
東京都のシルバーパスを所有していた場合は、各市区町村最寄りの窓口に返却しましょう。
故人が生命保険に加入していた場合は、受取人が請求することで保険金を受け取ることができます。期限は3年以内です。
最後に
まとめてみると、手続き内容は思いのほか膨大で目が回りそうになりますね。精神的にも肉体的にも疲れた状態で、これらの作業をしなければいけないのはかなり大変です。
役所の手続きの中には、期限が短いものが数多くあるので、まずはそちらを優先的に行うようにしましょう。
あなたに該当するものはどれかをチェックしておき、最優先で行わなければいけないものを挙げておくと安心です。
急ぎでないものは、ある程度落ち着いてから行ってもいいと思います。体をこわさないよう、体調に気をつけて乗り切っていきましょう。